作った仏に魂を(交流拠点づくりに向けて)①2021年01月17日

 地域交流拠点づくりの検討を進める過程で幾つかの本質的な課題が見えてきた。多くは制度設計で想定された枠組みと拠点づくりの現場である地域実態とのギャップに起因しているように思える。浮上してきた課題に次のような点がある。
 ひとつは、制度設計上想定された地区社協エリア(概ね小学校区)に1ケ所の拠点づくりが、地形や地区内の自治会の状況等の地域実態によってはまとめきれない点である。いわゆる複数拠点問題であるが、多額の補助金の配分問題も関係するため地域に厄介な事態を招きかねない要素を孕んでいる。
 今ひとつは、拠点活動の性格を巡る課題である。既存の交流拠点は基本的に常設拠点をベースとした「人と情報の交流」拠点の性格が強く”カフェスタイル”の拠点が一般的である。これに対して、当地区では「人と情報と活動の交流」拠点も模索している。いわば”公民館スタイル”の拠点である。この点は会場となる施設の選択に大きく関わることもあり見落とせない課題でもある。
 更に”老人いこいの家”等の既存の常設型活動との調整も必要になる場合がある。交流拠点の会場が地域の公共施設も有力な選択肢となるためバッティングするケースも出てくる。本質的な趣旨目的は共通するものであり共存の道筋をどのように話し合えるかが課題となる。
 細部ではほかにもあると思われるが、これまでの検討経過を通じて上記の3点が本質的な課題として浮上してきた感がある。これらの課題を克服する上で、より高次のテーマが、拠点づくりの根底にある環境認識と危機感の共有、それを踏まえた理念の合意ではないかと思う。「手引き」には、「世代、分野を限定しないつながりの場」「地域の支えあいの場」が目的とされている。その通りではあるが、何かが抜けているように思える。この点について次回あらためて整理してみたい。