息子の挑戦2007年03月11日

 手術後4日目を迎え、ほぼ日常生活を取り戻した。万歩計のカウントも昨日から1万歩を越えるようになっている。唯、入浴だけは許されていない。脇腹の血流排出用チューブが取れるまで我慢が続く。とはいえ看護師さんに洗髪をしてもらい、最低限の快適さも取り戻せた。
 11時過ぎに妻と息子夫婦が見舞ってくれた。外資系製薬会社勤務の息子は、今月末に同じ業界のやはり外資系の会社に転職する。製薬業界では転職は一般的というよりむしろジョブアップを意味するという。転職の際の処遇条件も業界ベースでのスタンダードらしきものがあるようだ。個人の側では成長性を見込める分野の薬品をいち早く担当し、その知識と経験を蓄積することがスキルアップに欠かせないという。今回の転職はそうした見通しと意志をもとに転職先とネゴをして実現したという。自らの職業生活を主体的に切り開く新たな挑戦を始めたようだ。結果的に5年近くを過ごした現在の住まいも遠く離れた地に移すことになる。嫁の気苦労も想像に難くない。
 私自身は卒業後すぐに就職した会社で実質的に定年を迎えた。息子の歩んでいるサラリーマン人生は、そんな私から見れば及びもつかない。自らを転勤族と語る息子の人生に一抹の寂しさを感じないではないが、それ以上に着実に自分たちなりの生活を築きつつある息子夫婦の逞しさを頼もしく眺めた。