復刻版日記⑳近所のバアチャンのアンビリバボー2010年05月27日

(1998年8月の日記より
 妻の大の仲良しが近所に住んでいる。これは妻の友人の姑さんのアンビリバボー物語である。
 雷雨の多い夏だった。くだんの近所のバアチャンは、大の雷嫌いだという。それもハンパなものじゃないらしい。真夏の深夜、息子夫婦は二階の寝所でぐっすり眠り込んでいた。突然の雷雨が嫁の眠りを奪った。そして寝ぼけまなこの嫁に突然飛び込む信じがたい光景。なんと姑が枕元で鎮座している。雷の深夜の襲来に一人では到底耐えられないバアチャンにとっての唯一の自衛策なのだ。それにしても初めてそれを経験した時の嫁の驚愕は想像に難くない。
 深夜はさておき、昼間の雷攻撃にはバアチャンはどんな自衛策を講じるのだろう。昼間、息子夫婦は仕事で不在がち。バアチャンは、雷予報に人一倍敏感である。空模様が雷の予感を告げた時、バアチャンはひたすら最寄りのコープこうべの店を目指す。近辺で最大規模の人込みを収容する建物である。彼女の住いからは早足でも30分近くはかかるはず。それでも雷の恐怖と戦いながらひたすらバアチャンはコープを目指す。

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