映画評「プリンス・オブ・ペルシャ」2010年06月24日

 3ヵ月ぶりの映画「プリンス・オブ・ペルシャ」を観た。新聞広告で古代ペルシャ帝国のスペクタクル・ロマンといったイメージのガイドをみてぜひ観たいと思っていた。昨日の市大病院診察から労働委員会定例会議までの空白時間を埋めるには格好の作品だった。TOHOシネマズ梅田の別館1階のシアター10が上映館だった。
 時を戻し過去を変えることで世界を支配できるという「時間の砂」のスケールの大きな物語性、めまぐるしく展開するスピード感溢れるストーリー展開、CGを駆使した大迫力の映像と音響・・・等々。さすがにディズニー作品である。観客は2時間の上映時間を息つくまもなくのめり込む。文句なしに楽しめる娯楽作品ではある。
 ただそれだけだった。期待した神秘に満ちた古代ペルシャの壮大な歴史ロマンにはほど遠い。作品情報を読むと世界中で大ヒットした人気ゲームの実写映画化作品のようだ。さもありなん。観終えて心に残るものは希薄だった。自分の嗜好の変化に気づかずにはおれない。穏やかで静謐な時の流れを感じさせる作品やテーマ性の強い作品への傾倒が強い。徐々に観たい作品が絞り込まれていくようだ。それも「老い」なのか。