続・命綱2013年05月13日

 先日、民生委員の担当地区の独り住いの高齢者宅を訪ね、市の緊急通報救助事業をご案内したことを「命綱」と題して記事にした。http://ahidaka.asablo.jp/blog/2013/04/27/6791661
 その後、ブログ記事を読んだ知人から「NTT一般回線が敷かれていることが条件」という点について、「他の通信事業を利用している住民も多い中、行政サービスとしては問題があるのではないか」とのコメントを頂いた。知人宅も他の回線であり我が家もNTT光回線である。もっともな指摘だった。
 ゴールデンウィーク明けの今日、訪問したご婦人宅に連絡し、緊急通報救助事業の機器設置の検討結果をお聞きした。予想通り次のようなご返事だった。「現状のNTT光回線を元のアナログに戻すと、様々な障害や不便が生じることが分かったので、今回は機器導入は見合わせたい」。
 ご婦人とのやりとりを通じて、NTTアナログ回線使用が条件ということ自体の問題を痛感した。今や家庭の通信回線は多様化しておりNTTアナログ回線は今後少数派になることは必死だ。そんな環境下での、この設置条件は、いかにも時代遅れである。民生委員としてもそれを押してまで機器設置をお勧めするわけにはいかない。「市に問い合わせてこの条件の見直しが可能かどうか、その見通しはあるのかを質したい。その上であらためて相談することにし、今回は見送りましょう」ということで話を終えた。
 すぐに市の担当部署に連絡し、次のような事情を知った。「この事業の導入はアナログ回線しかなかった20年以上も前で機器そのものが光回線等に対応していない。また光回線は停電時に繋がりにくいというリスクがあり、光回線への切替えにためらいもあった」。これを受けて次のように述べて早急な光回線等への対応を求めた。「住民の命綱的なシステムが行政の環境対応の遅れで利用できないケースが増えている。これではシステム自体の意味がないし、行政サービスとしても重大な欠陥ではないか。窓口の民生委員としても該当者に勧められない」。これに対し「担当部署でも環境対応は検討しており業者とも協議を始めている。ただ切替えには民生委員関係機関等との事前協議の手順が必要で時間を要する」とのことだった。「独り暮らしの体調に不安をもった高齢者等にはかけがえのないシステムであり、通常の手順にこだわらずスピーディーな対応をお願いしたい」と結んで話を終えた。