復婚・・・あれから40年2013年07月16日

 亭主がリタイヤして我が家に居つくようになった頃に夫婦は、新婚時代の再来を思わせる事態に直面する。といってもそれは惚気(のろけ)気分とは程遠いものだ。きみまろのセリフではないが「あれから40年」なのである。ラブラブ時代のワクワク感に満ちた夫婦の真剣な「向き合い」が、40年の時を経ておよそ様相を異にした形で再び訪れる。
 この間、夫は仕事に追われ、それなりに重くなる役職をこなし、仕事付き合いに明け暮れて家庭を顧みるゆとりはない。一方妻は、日々の家事をこなしながら、出産、子育て、ご近所付き合い、パートなどに明け暮れてこれまた夫と向き合うゆとりはない。妻の家庭と地域での「かくも永き存在」は、地域に強固な居場所をつくり、家庭に君臨する存在としてリタイヤ亭主の前に立ちはだかる。
 夫の夢見た豊かな筈のリタイヤ生活は、家庭と地域での「かくも永き不在」の見事なしっぺ返しを噛み締めることから始めねばならない。現役時代には容赦されていた数々の「我が家のルール(と妻が称する)」が、リタイヤ亭主に容赦なく襲い掛かる。妻の発する「〇〇をしとかなアカン」「〇〇をしたらアカン」の科白のいかに多いことか。もちろん夫の身を案じての科白も含まれているのは承知している。それでも夫は、妻の過ごした「あれから40年」の等身大の姿にあらためて直面し、狼狽え、身構えてしまう。
 それは、夫婦が初めて真剣に向き合った「新婚」の40年後の再来ともいうべき「復婚(復活婚)」の到来である。(「離婚」「再婚」でないだけまだしも救いがあるのかもしれないが・・・)。アッ!念のため付け加えておこう。この記事は決して「我が家」カテゴリーの記事ではない。あくまで一般論としての「老後スタイル」カテゴリーの記事である。

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