未明にルンバが踊る2013年11月03日

 何やら物音が聞こえて目を覚ました。手許の置時計は4時前を指していた。ガ~ッガ~ッという唸り声がはっきりと耳に届いた。こうなるともう寝られない。二度寝の効かない歳である。
 リビングに降りると暗闇のフローリングでお掃除ロボット・ルンバがグリーンのライトを点滅させながら踊っていた。ルンバがルンバを踊っているとほくそ笑んだ。それにしても人騒がせな。
 なぜ今時分にホームベースから立ち上がって勝手に動き出すのだろう。内臓タイマーがある時間がくると稼働する仕掛けになっているのか。フル充電後、一定時間経過すると稼働するのか。その仕組みは謎である。取説を繰って調べるほどの意欲もない。
 デスクでパソコンに向かっているとルンバの唸り声が近づいてきた。どんどん近づき、座っている椅子の足にゴツンゴツンとぶつかり始めた。まるで小型の室内犬が飼い主にじゃれているかのような振舞いである。なんとなく愛(う)い奴だと思ってしまう。
 いつの間にか唸り声が聞こえなくなっていた。捜してみると洗面所横のクローク下の袋小路で身動きが取れずに稼働を停止していた。しょうがない奴だと首輪(取っ手)を掴んでホームベースに寝かしつけた。やっぱり世話の焼ける奴だ。