霜の朝の忘れ物2013年11月29日

 買換えたばかりのデジカメ持参で朝の散策に出かけた。重ね着の上のダウンジャケット、耳カバー付きの帽子、フリースの手袋と、防寒支度で身を包んだ。早朝の散歩道が真冬の寒さで迎えてくれた。
 有馬川に架かる愛宕橋の袂に風情のあるタモの木が佇んでいる。根元には枯れ落ちた葉っぱの褥が横たわる。タモの向こうには冬景色の有馬川が伸びていた。川面の両側の岸辺にはうっすらと霜のベールに覆われた枯草が広がっていた。
 帰路の途中でいつものようにマクドナルドに立ち寄った。ドアを押しながらポケットを探った。ない!ある筈の財布がない!出がけにそういえば財布を手にした記憶がない。忘れてきたのだ。いかに毎日のように顔を出す常連と言えども、マックでつけはきかない。押したドアから手を離し、踵を返して自宅に向かった。霜の朝の忘れ物が、モーニングコーヒーを奪った。