濃霧の朝2015年03月16日

 玄関のドアを開けて外にでた。いつもと違う景色を目にしながら歩を進めた。霞がかった乳白色の世界に包まれた。濃霧の朝だった。
 有馬川堤の中国道高架下をくぐった途端、濃霧は一気に深くなった。堤の先を行く人影が幻想的な雰囲気を漂わせた。さくら並木の枝先で濃霧をバックにした朝露がきらきら輝いた。さくらの蕾がほっぺを膨らませつつある。名来神社の北側のさくら並木を通り、旧丹波街道まで霧に濡れた髭を撫でながら足を伸ばした。
 春間近の濃霧の朝だった。