NHK・クロ-ズアップ現代”地球沸騰化”2023年12月01日

 NHKクローズアップ現代の2夜連続番組”シリーズ地球沸騰化”を観た。第1回は「“気候難民”故郷追われた先に」をテーマに、第2回は「森林大消失“負の連鎖”断ち切る闘い」をテーマに放送された。番組キャスターの桑子アナウンサーがアフリカの現地を訪ねて取材した骨のある野心的な番組だった。
 突如としてコロナ禍が世界を襲い、ロシアのウクライナ侵攻が勃発した。こうした予期せぬ事態が”地球温暖化”という人類共通の危機をここしばらく片隅に追いやってしまった感がある。
 ところが今年の7月に「地球温暖化」という言葉では表現しきれないほどの猛暑が世界各地で発生した。これを受け、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は記者会見で「地球沸騰化の時代が到来した」と語り、「地球沸騰化」という言葉は瞬く間に世界中に広まった。
 番組はこの「地球沸騰化」の具体的な現実を現地取材で追ったものだ。”気候難民”という発展途上国を中心に広がる理不尽で過酷な実態に心が締め付けられた。そして世界各地の森林が急速に消失し、それが気候変動に拍車をかけるという“負の連鎖”が起きているという現実に心底危機感を覚えた。
 今や”地球温暖化”という生易しい状態でなく”地球沸騰化”であることを教えられた。ウクライナやパレスチナで続いている愚かな戦争を一刻も早く集結させて、沸騰化する地球の鎮静化の取組みに向き合わなければならない。