病床の雪2007年03月18日

 昨晩は9時半頃の早目の就寝だった。明け方3時半頃目が覚めたものの再び眠りに落ち次の目覚めは6時前だった。睡眠剤の助けを借りたとは言え久々の8時間もの睡眠を得た。
 6時になって室内灯の明かりがいっせいに灯された。いつものように窓側のカーテンを開いた。目に飛び込んだのは、どんよりとした曇り空に舞う粉雪だった。3月中旬になって目にしたこの冬初めての雪だ。降りしきる粉雪を美しいと思った。こんな景色にもちょっとした感動を覚えている自分自身を不思議に思った。
 この病床での生活はすでに1カ月以上に及ぶ。検査や手術や治療といった病にかかわる状況には起伏はあるものの、変化のない日常生活は淡々と平坦に刻まれるだけである。限られた空間の中で限られた人たちとのかかわりだけで成り立っている。
 13階の窓から眺める景色にしばしば見とれている自分がいる。風景のありがたさをこれ程思ったことはない。大病で長期間病床で過ごしたからこそ得られた感受性なのだろう。
 病床から眺める粉雪を美しさをかみしめた。

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