寒梅のメジロ2010年02月06日

 朝7時過ぎの遅い散歩のスタートだった。凍てつくような冷たい空気の中を手袋をした両手をダウンジャケットのポケットに突っ込み、背中を丸くして歩いた。有馬川の歩道の霜混じりの白さが行く手に待ち構えている。寒々とした冬景色もまた悲しからずや・・・の心境だった。隣町のお稲荷さんまで足をのばし、タップリとウオ-キングに励んだ。防寒用の毛糸の帽子の下がジワッと汗ばんでくる。マクドナルドでも時間をかけてコーヒー片手に文庫本を愉しんだ。
 住宅街に戻った時には9時を過ぎていた。近所の家の白い壁を朝日がさしこめていた。庭の梅の木で何かが動いた。じっと目を凝らすと小さな野鳥が止まっていた。モスグリンの羽根が目についた。鶯かメジロに違いない。その場で立ちつくして、そっとポケットからデジカメを取り出す。ズームをマックスにしておそるおそるシャッターを押した。撮れたッ!帰宅してパソコンで画像を確認する。目の周りを白く隅どりしたメジロが驚いたような顔つきで梅の小枝に居た。
 幼少期を姫路の故郷で過ごした。まだ牧歌的な佇まいを留めていた実家の周辺でも鶯やメジロを見かけることはなかった。野鳥と言えばスズメ、ツバメ、カラス、トンビなどだった。夏休みに長期に遊んだ母方の親戚の宍粟の山里で、多くの野鳥を目にして心躍らせたものだ。そんな野鳥たちが今私の住まい近くに訪れてくれる。終の棲家として選択した街の自然に感謝するばかりである。

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