束の間の粉雪2012年01月04日

 どんよりと立ち込めた雲の下の早朝ウォーキングだった。昨晩の天気予報は「曇り時々雪」と告げていた。予報通りのいつ降ってもおかしくない刺すような冷気と時おり襲う強風に身を縮めた。
 ポケットにはしっかり15倍ズームのコンデジが納まっている。こんな日はカワセミが川面に羽根を休めているものだ。カワセミのよく見かける有馬川のポイントにやってきた。日の出には間がある薄明りの河原から一瞬何かが飛び立った。ブルーとだいだい色の残像が網膜に残った。カワセミだった。シャッターチャンスにほど遠いこの冬初めての出合いだった。
 愛宕橋を超えた辺りで白い小さな雪が目の前を横切った。それは見る間に粉雪となって舞い始めた。木製の名来橋に向かってさくらの枯れた並木のシャッターを切った。少しズームにしたら粉雪がキャッチできた。束の間の雪模様だった。土手道の先端を折り返し、愛宕橋近くまで戻った頃にはすっかり止んでいた。明るさを取り戻した空に向かって、タモの樹が枯木の枝をせいいっぱい広げていた。

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