和ローソク作りの体験プログラム2012年03月02日

 昨日の午後、『西宮まちなかボランティアガイド養成講座』の最終回の帯剣プログラムを受講した。会場は今津町の阪神久寿川駅前にある和ローソクの松本商店だった。
 9人の受講生に事務局を入れて15名位が松本商店の小さなお店に集合した。最初に三代目社長から和ローソク全般の解説を聴いた。原料が木蝋(もくろう)であるハゼの木の実の油であることを初めて知った。石油の精製品のパラフィンを原料とするである洋ローソクとの基本的な違いである。江戸時代に最盛期だった和ローソクづくりは今や全国で30軒にまで落ち込んでいるという。そのうち10軒は後継者難でまもなく廃業予定という。伝統産業の衰退の現実である。それでも山口の竹細工や船坂の寒天づくりの消滅の現実からすればこのお店の頑張りに頭が下がる。
 場所を製造現場に移して体験実習となる。最初は紙芯作りだ。竹ひごに厚めの短冊状の和紙を巻き更に薄い和紙をらせん状に巻いて作る。結構これが難しい。後で分かったが、この紙芯の先端をいかに細く尖らせておくかがポイントだった。この紙芯の回りに道具で蠟を塗る作業工程となる。更にそれに別の蠟を左右の手のバランスを取りながら塗り固める工程を体験した。最後は出来上った蝋燭に絵付けをする。各自がおもいおもいにサンプルの絵を参考に細い絵筆で色塗りをする。それぞれの工程では社長や奥さん、従業員の皆さんが懇切に指導してもらった。
 2時~5時までの体験実習だった。産業としては山口の竹細工は消滅したが、その技術の伝承者は尚健在である。仮に山口での竹細工の体験プログラムを検討するとすれば今回の体験は貴重なノウハウを提供してくれるにちがいない。