「山口の朝6時のサイレン」顛末記2012年03月09日

 午後、民生委員の定例会があった。終了間際に、ある委員から発言があった。「山口センター屋上から鳴らされる朝6時のサイレンについて、センター近くの住民から苦情があった。早朝のあの強烈な音で眠りを破られるという声だ。あるお宅ではフランス人の奥さんがあのサイレンに怯えて外出できなくなったという苦情もある。支所で何とかできないか」。
 確かに物議をかもしかねない朝6時のサイレンである。以前、このブログでも取上げた。http://ahidaka.asablo.jp/blog/2010/07/06/5202560 このご時世によくぞあんなサイレンがまかり通っているナと思った反面、農耕社会の風習を残したその牧歌的な音響にある種の郷愁を覚えたのも事実である。
 同席の市役所支所長から次のような答弁があった。あのサイレンは旧山口村と西宮市が合併した時から申合せで継承されていると聞いている。農耕社会に深く関わる風習のひとつのようだが、近年新興住宅街を中心に苦情が多く、健康被害まで訴えられるに及んで、支所としても旧地区の自治会連合会に朝6時のサイレンの中止を申し入れた。連合会としても賛否両論の議論があったようだが4月1日以降、早朝6時のサイレンは中止することになったようだ。
 都市部では許容範囲を超えた想像外の大音響にちがいない。しかもそれが公共施設から発せられていたのだ。その意味では確かに、来るべきものが来たということだろう。ただ正午と夕方5時のサイレンは残されるようだ。とはいえ古くからの風習のひとつが消えることの一抹の寂しさを覚えるといえば、音響被害の埒外に住む身の無責任さと返されるだろうか。