Eテレ「シンガーソングライター 沢 知恵」2012年12月28日

 昨晩8時から放映されたNHK教育テレビ(Eテレ)のハートネットTV「かかわらなければ シンガーソングライター 沢 知恵(ともえ)」を観た。心打たれるいい番組だった。
 シンガーソングライターの沢 知恵さんが、ハンセン病療養施設がある香川県大島で毎年開催する無料コンサートと、被災地・塩釜で仮設住宅に暮らす人たちを招いて開かれたコンサートの模様を描いたドキュメンタリー番組である。二つのコンサートを通じて沢さんが訴えたメッセージが「かかわらなければ」ということだった。
 「かかわらなければ」は、ハンセン病元患者で詩人の塔和子さんの詩「胸の泉に」に沢さんがメロディーをつけてできあがった曲だ。詩の主題が「かかわらなければ」であり、曲の中でも主旋律として繰り返される心に沁みるメロディーである。
 沢さん自身は赤ちゃんの時に、牧師でハンセン病支援に関わっていた父に連れられて大島のハンセン病療養施設を訪れたという。20数年ぶり再訪した彼女を療養所の人たちは大歓迎した。「なぜ?赤ちゃんだった私を?」。ハンセン病患者として子どもを産むことを許されなかった患者たちの前に登場したかけがえのない赤ちゃんだったのだ。そんなコメントがハンセン病支援を訴える彼女の原点を鮮やかに表現する。恨みや怒りに包まれた筈のハンセン病患者の塔さんの詩の優しさに驚愕し、なんとしてもその詩と心を広く伝えたいと決意させる。
 沢知恵という優れたシンガーソングライターを初めて知った。同時にEテレのハートネットTVというシリーズ番組も初めて知った。「バリバラ」と言いこの番組と言いNHK教育テレビの良心と凄さにあらためて敬服した。

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