有間皇子異聞④金心寺本尊と三田の地名2014年02月15日

 有間皇子の実弟・定慧上人創建の金心寺の本尊は弥勒仏である。この弥勒仏は三田の地名の起源と深い関わりがある。これについて三田の古代史研究者である森脇さんの六甲タイムスへの平成3年7月26日付寄稿文から紹介しておこう。
 「弥勒仏は、漢山口直大口(あやのやまぐちあたえのたいこう)の作で国の重要文化財に指定されている。(略)荒木村重が信長に叛き金心寺に立てこもった時、全山焼け落ちてしまったが、幸い弥勒仏は泉水に難を逃れ、今も本堂に安置されている。昭和7年、弥勒仏の解体修理の際、胎内に秘文が発見された。それには『当地を松山の庄と云う。これを金心寺三福田により、三田と改む』とあった。三福田とは、『恩田、敬田、悲田』を云い、三田という地名の起源はここにあることが判明した。(三田市史、金心寺由緒)」