独断的「朝の連ドラ・女優考」2014年06月13日

 NHKの朝の連続ドラマを欠かさず観ている。今放映中の「花子とアン」を観ながら何となくヒロイン女優の果たす役割のようなものを考えさせられた。
 はな役の吉高由里子は、文句のつけようのない美人である。そのキャラもまたいかにもお嬢様タイプにみえる。貧農の小作の娘の役どころには馴染まないような上品さが漂う。それだけにインパクトに欠けることは否めない。おそらくドラマが終わると私の記憶からはあっという間に薄れていくだろう。登場シーンは少なくても蓮子役の仲間由紀恵の方が印象が深い。
 最近の連ドラで何といってもインパクトがあったのが、「カーネーション」の糸子役の尾野真千子だった。連ドラとしては5作も前の番組だったが今尚その強烈な個性はインプットされている。
 何が違うのか。当然ながら女優としての存在感は顔立ちとともにキャラの影響も大きい。尾野真千子は吉高由里子に比べ、顔立ち、キャラともにはるかに個性的である。奈良県出身という関西人の尾野と東京都出身の吉高という出身地の違いが醸し出す雰囲気やイメージの違いはやむをえまい。それにしても尾野の持つアクの強さや毒気は女優としては強みである。その後、尾野が真木よう子と並んでダブルヒロインだったドラマ「最高の離婚」を観た。尾野の毒気がいかんなく発揮され、真木の妖しい毒気とも相まって「最高のドラマ」だった。
 ちなみに放映中のドラマで嵌っているのは「最後から二番目の恋である」。ヒロイン小泉今日子が実にいい。相方役の中井貴一との掛け合いトークは絶妙である。これも小泉今日子の独特の味わいのあるキャラに負うところが大である。彼女もまた朝の連ドラで「あまちゃん」でブレークし復活した女優である。個人的にはヒロイン天野アキ役の能年玲奈を喰っていた印象すらある。いずれにしろ数々の個性的な女優陣を輩出してきたNHKの朝の連ドラのその面での功績は大きい。