フジテレビ「続・最後から二番目の恋」2014年06月27日

 家内と二人で毎週木曜夜10時放送の「続・最後から二番目の恋」に嵌っている。途中から見始めたのだが最初から観なかったことが悔やまれる。昨日がその最終回だった。
 尾野真千子と真木よう子のWヒロインのドラマ「最高の離婚」以来のずば抜けて面白いドラマだった。どちらも都会生活の「現代」や「トレンド」を巧みに掬い取ってユーモアたっぷりに描いている。
 「最後から二番目の恋」の魅力は、何といっても小泉今日子と中井貴一の主演二人の掛け合いの面白さである。中井の風貌が醸し出す生真面目な雰囲気は、鎌倉市役所観光推進課長の役どころにピッタリだ。アイドルから見事に脱皮して都会風のトレンディなキャラを獲得した小泉もまたテレビ局勤務の敏腕プロデューサーの役どころを巧みに演じている。この二人の掛け合いシーンが要所要所に織り込まれる。脚本の見事な台詞回しを二人の個性が魅力たっぷりに表現する。
 そのテンポの速い掛け合いの中に、「今」をキャッチして爽やかに生きる心得が伝わってくる。忘れかけたほのぼのとした恋が語られる。52歳と48歳という人生の黄昏の始まりともいうべき微妙な年代の恋である。かといって作者は二人の恋を最後の恋とは言わず、「最後から二番目の恋」という意味深なタイトルで表現する。視聴者はこれに引っかかる。なぜ最後から二番目なのか。
 日本は超高齢化社会を迎えてしまった。テレビドラマはそんな時代を様々に描いて見せる。このトレンディドラマもまた「今」を描いている。人間生きてる限り永遠に恋をする。決して今の恋を最後とは思うまい。最後の手前の恋なんだ。最終回を観終えて、そんな独りよがりの解釈をして悦に入った。