つどい場さくらちゃん2014年07月17日

 先日、エビスタ西宮で久しぶりに再会した知人とランチした。1時間余り積もる話を交わした後、知人が懇意にしている「NPO法人つどい場さくらちゃん」に案内してもらった。「つどい場さくらちゃん」は、阪神西宮駅東出口のすぐ南側の民家にあった。知人が玄関引き戸を開けて奥に声を掛け、「どうぞ」の声にいざなわれて奥の食堂に入った。
 早速、理事長の丸尾多重子さんと名刺を交わした。実は彼女とは初対面ではない。5年前に西宮市地域福祉計画策定委員会の公募に応募し、1年間公募委員として委員会に出席した。その時の同じ委員に丸尾さんも参加されていた。食堂にはテーブルを囲んでたくさんのお年寄りの姿があった。中には高知からの訪問者もあるとのこと。帰路のさくらやまなみバスの発車時刻が近づいていた。挨拶を交わした後、たくさんの事業紹介パンフ等を戴いて辞した。
 バスの車中でパンフを読んだ。誕生から10年の「つどい場」である。丸尾さんのお母さんと丸尾さん自身の母娘二代の壮絶な介護体験が「つどい場」つくりの原点である。彼女自身は母、兄、父の3人の家族を10年間に渡って介護しそれぞれを在宅で看取ったという。そのほとんどは介護保険のない時代の介護だった。その困難さと厳しさは想像を絶するものがあったことだろう。その体験と想いが介護に関わる人たちへの支援の場づくりにこめられている。
 つどい場さくらちゃんは4つの事業を展開する。介護する人の支援と交流の場「つどい場」、介護者も介護される本人も家からでて買物、食事、旅行などのおでかけをサポートする「おでかけタイ」、介護に携わる介護職、家族などが介護について学びあう「学びタイ」、介護者のリフレッシュや息抜きの間の被介護者の見守りや、介護者本人の気持を聴く場である「見守りタイ」である。そのどれもが永年の介護事業の体験の中から生み出された分野である。
 2025年問題を語るまでもなく、超高齢化に向けて「介護」は避けて通れない地域の共通のテーマとなる。「介護」をキーワードとした支援組織はどの地域にも欠かせない時代が目前に迫っている。我が町の「つどい場」づくりに向けた取組みを心した。