道場平田の正福寺の格式2015年09月24日

 先日、道場平田の正福寺を訪ねた。公民館講座「隣町風土記・道場」のテキストづくりの過程で、正福寺の由緒や格式の高さを知った。本尊や石造物等、貴重な所蔵物も多い。ぜひ訪問して詳しい来歴をお聞きし写真画像を入手したいと思った。思い切って電話したところ快諾頂いた。
 本堂横の詰め所に案内されお話を伺った。江戸中期に生野から平田に移転した真言宗・桂林寺が廃寺となり明治初期に曹洞宗・正福寺が廃寺跡に移転した。正福寺の堂宇や諸施設は桂林寺のものを引継ぎ真言宗形式である。
その後、本堂で実際の姿を前に解説頂いた。本堂自体が二重構造である。内陣その前の外陣は室町時代の建物で高価で頑丈な木材で造られている。外陣の外側を一段低い外陣が囲んでいる。こちらは江戸期の建築で材質的には内側構造に及ばない。ご本尊は正福寺の聖観世音菩薩像と桂林寺の大慈霊像の二体ある。内側外陣の格天井には花模様の絵画が描かれている。作者、年代共に不詳だが識者の評価も高く相当古いもののようだ。
 境内には燈籠、宝篋印塔、地蔵尊など十数点に及ぶ銘の古い石造遺物が残されている。有馬・丹波街道分岐の清水の辻にあった振分け地蔵も移転してこの境内に安置されている。
 11月11日には大勢の受講者と一緒に正福寺前の旧街道を散策する。その際にはここ正福寺にも参拝し短時間ながちゃらご住職のお話を伺うことにしている。気さくで熱意のこもった事前レクチャーに心から謝辞を述べて辞した。