「隣町風土記・有馬」の現地取材2016年01月06日


 新年を迎え今年やるべきことを色々考えてみる。正月休みを活用して少しでもやっておきたいことを模索した。真っ先に浮かんだのはライフワークでもある公民館講座「隣町風土記」である。今年のテーマは既に決まっている。東と北の隣町を終えて今年は南の「有馬(湯山)」である。
 言うまでもなく有馬町は有馬温泉の町として誰もが知っている。それだけに表面的で型通りの紹介では意味がない。隣町風土記の学習経験と手法を糧に独自の切り口やスタイルで組み立ててみたい。何はともあれ現地取材が欠かせない。観光や散策目的では何度か訪ねたが、講座取材を目的とした訪問はない。先日初めての取材に出かけた。
 最初に訪ねたのは有馬ふれあいのまちづくり協議会(県民交流広場事業)が運営する「有馬文庫」である。散逸が懸念されていた有馬地区の貴重な古文書等の資料の収集、整理、公開の事業を住民主体で発足させたものである。神戸市北区役所有馬連絡所の窓口で訪問を告げ、隣接する福祉センター1階の「有馬文庫」を訪ねた。
 三畳ほどの部屋に設置された書棚に有馬温泉や神戸市や兵庫県関連の書籍が並んでいる。残念ながら有野町誌をまとめた書籍はなく講座テキストの参考になるめぼしい資料も見当たらなかった。唯一「摂津名所圖會」という書籍に掲載された有馬温泉の風物を描いた絵草子を興味深く目を通した。次に向かったのが有馬温泉観光協会だ。観光マップ等の資料入手のためだったが、こちらも一種類のマップがあるだけで収穫は乏しい。
 その後、今まで訪ねたことのないスポットであるあたご山公園に登りその山麓の湯泉神社に参拝した。更にすぐそばの「太閤の湯殿館」に入場し、秀吉が造らせた「湯山御殿」の一部と湯ぶねの遺構を見学した。有馬温泉と秀吉の繋がりの深さをあらためて知った。
 阪急バス案内所に戻り帰路のバス時刻まであ40分余りあることを確認し気になっていたスポットのひとつ「切手文化博物館」に足を伸ばした。江戸時代の盛岡の豪商の土蔵を移築した建物内に、郵便創業時に発行の貴重な手彫切手をはじめ140年間に発行された普通切手・記念切手を発行年代順・系統的に展示した切手の常設博物館である。
 15時2分発のバスに乗車し2時間半ほどの現地取材を終えて帰路に就いた。