花ちゃん成長記「本能から感情へ」2016年01月08日

 初孫・花ちゃんの成長ぶりが目につくこの頃である。
 花ちゃんが笑った。正月三日のことだった。授乳クッションをベッド代わりにして横たわる花ちゃんを両親と祖父母の大人四人が囲んでいた。皆があやしながら見守っている目の前で突然花ちゃんが笑った。それまでも時々瞬間的に微笑みのような顔つきを見せることはあったが、それとは違った。瞬間芸とは様相を異にした何秒間かの笑顔だった。「アッ!笑ろた」。思わず口にした私に誰もが「ほんまや」と同調した。記念すべき「花ちゃん初笑いの日」だった。
 起きている時のむずかりが少なくなった。リビングの丸テーブルに敷かれた座布団とタオルケットが花ちゃんの即席ベッドである。おしめを替えたり、大人たちが食事をしたりする時に使用される。従来ここに寝かされると花ちゃんはすぐにぐずりだしていた。ところが近頃はひとりでおとなしく遊んである。手足をばたばたさせたり顔を右に左に向けたりしながら時にアーとかウーとか口にする。その仕草がなんとも愛らしい。ギャー泣きの頻度も大幅に減った。泣いても抱っこしてあやすとすぐに泣きやむようになった。これでじいちゃんばあちゃんの孫守りの精神的肉体的負担が大きく解消され、一層孫守りに励めるようになった。
 花ちゃんが反応するようになった。横たわる花ちゃんに間近に顔を寄せて語りかける。手を取って左右上下にそっと振る。片足ずつ上下にテクテクさせる。そんなじいちゃんを目で追うようになった。語りかけにアウ~と答えたりしておしゃべりしているかのようだ。動かされる手足を踏ん張って自分の意思を示している。そして極め付きは笑顔ができるようになった。時おり見せてくれる花ちゃんの笑顔にじいちゃんは堪らなくなる。そしてそのつどカメラに納められなかったことを悔しがる。
 本能のままに過ごしてきた花ちゃんに感情表現が加わった。