介護者の集いで身につまされた2016年01月15日

 山口公民館で開催されたあんしん窓口・山口主催の「介護者の集い」に参加した。新興住宅街在住のお二人の高齢男性の介護者の参加があった。お二人はともに認知症を患う奥さんの介護である。1時間半ばかりの懇談を通して様々の貴重な生の声を聞かせてもらった。
 以下は介護者のおひとりから伺った認知症徘徊者保護の成功事例である。『奥さんが徘徊されて行方が分からなくなった。事前にあんしん窓口から紹介されて市の「徘徊高齢者介護支援サービス」を利用していたのですぐにセコムの受付センターに連絡し位置情報検索を依頼した。近くの高速道路上での所在が確認され、セコムから警察に通報され、警察から道路公団に連絡し、公団の巡回車両で無事保護された。最寄りの交番に移送された奥さんをご主人が無事に引き取った』。
 認知症介護者の上手な施設利用の事例も伺った。ある介護者の奥さんは週2回のデイサービスと月2回のショートステイを利用している。それが日々の介護生活の貴重な息抜きの機会となっている。ただ奥さんは当初は他人との接触や施設に出かけることを極端に嫌がった。はじめのうちは施設の送迎バスでなくご主人と一緒にマイカーで出かけ、慣れてきてようやくバス利用になった。デイサービスとショートステイをく組み合わせた上手な施設利用が認知症介護には不可欠だ。
 その他、高齢男性介護者ならではの認知症の奥さん介護のホンネの苦労話もお聞きした。せっかく作った料理をほとんど食べてくれない。ショートステイの日は溜まった料理の片付けの日だ。奥さんが気を効かせたつもりで自分の汚れた紙おむつを洗濯機で他の下着と一緒に洗濯してしまう。その後始末の大変さは堪らない。朝晩の着替えが大仕事等々。おひとりは発行したばかりの福祉ネット北六甲の広報紙第2号を大切に保管し持参して頂いていた。こうした身近な地域の福祉情報もまたある種の救いになっている。
 高齢男性お二人の認知症の奥さん介護の報告は、他人事ではないリアリティで身につまされるものだった。