地域コミュニティ再生のグランドデザイン②2021年09月05日

 地域コミュニティ再生の鍵を握るのは自治会、地区社協、民生委員等の福祉を担う組織・役職である。以下、それぞれの課題と今後の在り方について考えてみたい。
 自治会は地域住民の意向を代弁する組織だが、近年自治会員の退会が相次ぎ地域コミュニティ脆弱化の主たる要因に繋がっている。その背景には短期間で定期的に役員が入れ替わるという弱点から長期的な課題や環境変化に対応できない実態がある。前例主義を踏襲し、盆踊りや文化祭等のイベント中心の事業に追われがちである。そのことが役員に過度の活動負担を強い、多くの会員に役員をやりたくないから退会するという土壌を醸している。人口拡大の成長社会から人口減少の超高齢社会への環境変化に応じた自治会事業の抜本的な見直しが必要である。事業見直しによる役員負担の削減策の実施に着手すべきだ。併せて高齢・介護等の合理的事情による役員免除のガイドラインガイド設定を会費の応分の負担増とセットで提案する等の現実的な退会抑制策も必要ではないか。また災害時避難支援や日常的見守り支援等、環境変化に応じた新たな住民ニーズへの対応が会員退会の抑制や新規会員加入という自治会再生の処方箋となる。
 自治会の会員の維持拡大の現実的な処方箋はコミュニティ再生の鍵である。