兵庫県ケアラー実態調査の中間報告②2021年09月21日

 兵庫県ケアラー実態調査の中間報告の最後には、次のような「行政、関係機関等への要望」が記載されており、ケアラーの生の声として興味深い内容を中心に抜粋委した。。
・ケアラーの緊急時の対象者のスムーズなショートステイ対応を! 
・仕事に支障がないよう夜間、休日の関係機関とのメール等の対応を!
・ケアラーが息抜きできるようなサービス環境の整備を!
・ケラー視点からみた在宅介護の行政や関係機関の支援や連携を!
・コロナ禍の外出自粛で対象者との時間が増え精神的に疲れている
・ケアラーがいなくなった後の残された夫の今後に不安が大きい
・ケアラーどうしが意見交換や情報交換できる交流の場を!
・個人情報管理でケアラーの把握が困難だが、民生委員の関係機関との情報共有が必要

 ケアラーに焦点を合わせた初めて目にした行政による貴重な実態調査である。ケアラーのプロフィール、ケア対象者、ケアの内容、ケアラーの状況や悩み、相談相手、行政への要望等が網羅されていた。
 在宅ケアが焦点となる地域包括ケアを在宅現場で支えるのは、まぎれもなくケアラーたちである。在宅ケアが地域で身近なものになりつつある中でこれまでこうした実態調査が行われなかったことの方が問題だったのではないか。民生委員の毎年の高齢者実態把握調査ではこれまで高齢者の実態把握に偏しており、ケアラーを念頭に置いた聞取りは極めて不十分だった。まもなく今年の調査が始まる。今回の中間報告の内容を念頭に今年の訪問ではケアラーについての聞取りも留意したいと思う。