散歩道の生き物たち2008年07月12日

 朝5時半、いつものウォーキングスタイルで玄関ドアを開ける。冷気を帯びた早朝の空気が顔を包む。いきなり目の前をつばめの直線的な鋭い飛行がよぎった。住宅街の舗装道路で数羽の雀がチュンチュンと騒がしい。近づくとじたばたとおよそ鋭さに欠ける羽ばたきで飛び上がる。住宅街を抜けて田圃道に出る。鶯の鳴き声が耳に入る。ホー~ホケキョ。ケキョケキョケキョ。もう夏の季節を迎えている。鶯は春の生き物という知識は思い込みだったようだ。
 農道から有馬川遊歩道に入る地点に石材屋がある。広い敷地の半分を占める原っぱに「黒ヤギ・ハッチャン」が住み着いている。真ん中辺りで早起きハッチャンが今日も草を食んでいる。足を止め、メ~~~ツとヤギの鳴き声で声をかける。瞬間的にハッチャンが首をもたげてゆっくりと声の方に顔を回す。いつもの掛け合いに満足して歩みを再開する。
 遊歩道を歩く私の前を真っ黒な4枚の羽をせわしなく動かしながら糸トンボたちが飛び交っている。この姿を見ながら歩けるのはいつまでだろうか。道の端にひき蛙がうずくまっている。草むらからはこおろぎの鳴き声が聴こえてくる。
 川沿いの遊歩道が途切れて竹やぶの間を右に抜けると水田が広がっている。水田の中の畦道のほとりに小屋が立っている。コケコッコ~ツ。小屋の住人の職務に忠実な鶏が朝を告げる鳴き声を発している。
 朝の散歩は生き物たちとの心和むふれあいの機会でもある。