郷土資料館特別展示「西宮の講」2011年08月08日

 先週の6日の土曜日は、西宮市郷土資料館の歴史調査団の定例会だった。連絡事項を済ませてすぐに同じ会場の資料館で展示中の「西宮の講―つどいの民俗―」の見学会になった。
 ガイド役は展示案内図録の執筆者でもある研究員の細木さんだった。展示室には市内の「講」に関わる道具、写真、資料や講ごとに展示されている。14の講の展示の中で、我が町・山口の講の多さに驚いた。地蔵講(下山口)、百味講(公智神社)、善光寺講(下山口)、伊勢講(下山口、名来)と四つもある。講の酒食の展示写真には顔見知りの長老たちの姿も見える。
 見学後に展示案内図録(200円)を購入した。図録序文に「『講』とは、宗教上の目的を達成するために、信仰を同じくするものが寄り合って結成している信仰団体のことをいいます。これが相互扶助の講へと変化したものもあります。(略)西宮市に講という『つどう』民俗があった」と記されている。図録の表紙を飾る写真は、下山口地蔵講のご詠歌踊りである。
 山口の旧村の伝統行事を見聞きしながら、その行事の前後に酒食をともにする「つどい」の多さに気づかされた。山口は農耕文化の伝統を色濃く残す町である。道普請や水利事業などの農作業や神事に関わる住民の共同作業が欠かせない。「つどい」の文化は住民相互の「固めの盃」を意味している。「講」もまた農耕社会の絆を固める場だったのだろう。

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