公民館講座「ふるさと山口の民話」 ― 2012年10月28日

昨日午後、山口公民館講座を受講した。「ふるさと山口の民話」と題した山口町老人クラブ連合会の前会長・坂田芳郎さんによる講座だった。船坂ビエンナーレの第1回実行委員長の大役をこなされた山口の長老のおひとりだ。船坂の情報を教えて頂いたりして、個人的にも面識があった。
民話とは何かをテーマに、神話、昔話、伝説、地域民話を分類し、それぞれの違いが解説された。神話は、「世界や人類がいかにして現在の姿になったかを説明する象徴的な物語」とされ、古事記に由来するイザナギ、イザナミに始まる日本神話の概略が紹介される。公智神社の祭神(ククノチのミコト)や名来神社の祭神(カグヅチのミコト、ミズハメのミコト)がイザナギ、イザナミから生まれた神様であることを初めて知った。
昔話は、「ムカシ、ムカシ」「アルトコロニ」「オジイサンとオバアサンが住んでいました」というお決まりのフレーズが、「確かでない時」「不明な場所」「あいまいな登場人物」を示した昔話の特性だと説明される。一寸法師、桃太郎、かぐや姫などは、「ちいさこばなし」という小子が活躍する話である。これは神話の大神・大国主命と小神・小彦名命(スクナヒコ)が力を合わせて国土を経営するというスクナヒコの話が源流にあるという。
伝説は、時・人物・場所がはっきりしていて、多くの人に共有される説話である。聖徳太子伝説、ヤマトタケル伝説、弘法大師伝説、義経伝説などの英雄伝説や、船坂の善照寺本尊の由来などのような本尊由来伝説などもある。
最後に地域民話のひとつである「山口の民話」が紹介された。山口に伝わる23の民話は、この10月に山口町徳風会から刊行された「やまぐちの里」http://ahidaka.asablo.jp/blog/2012/10/04/6593027 に収納されている。講師はこの「やまぐちの里」の編集委員のひとりである。23話の内、13話が船坂を舞台としたもので圧倒的に多い。この点について、古来より船坂が大坂と有馬温泉を結ぶ有馬街道の主要な中継地であり、旅人の往来も多く話題性があったという背景があると説明された。興味深かったのは「名来の篭六と梶本家の表門」の話だった。幕末の頃に毘沙門のお告げで大金持ちになった篭六が、平尻道に代官所を設けて金力で代官になったという。今も残る平尻の石碑のひとつに刻まれた「芝金次良」とは篭六の別名であるとの民話だった。
飄々とした語り口で楽しく興味深い1時間半の講座だった。
民話とは何かをテーマに、神話、昔話、伝説、地域民話を分類し、それぞれの違いが解説された。神話は、「世界や人類がいかにして現在の姿になったかを説明する象徴的な物語」とされ、古事記に由来するイザナギ、イザナミに始まる日本神話の概略が紹介される。公智神社の祭神(ククノチのミコト)や名来神社の祭神(カグヅチのミコト、ミズハメのミコト)がイザナギ、イザナミから生まれた神様であることを初めて知った。
昔話は、「ムカシ、ムカシ」「アルトコロニ」「オジイサンとオバアサンが住んでいました」というお決まりのフレーズが、「確かでない時」「不明な場所」「あいまいな登場人物」を示した昔話の特性だと説明される。一寸法師、桃太郎、かぐや姫などは、「ちいさこばなし」という小子が活躍する話である。これは神話の大神・大国主命と小神・小彦名命(スクナヒコ)が力を合わせて国土を経営するというスクナヒコの話が源流にあるという。
伝説は、時・人物・場所がはっきりしていて、多くの人に共有される説話である。聖徳太子伝説、ヤマトタケル伝説、弘法大師伝説、義経伝説などの英雄伝説や、船坂の善照寺本尊の由来などのような本尊由来伝説などもある。
最後に地域民話のひとつである「山口の民話」が紹介された。山口に伝わる23の民話は、この10月に山口町徳風会から刊行された「やまぐちの里」http://ahidaka.asablo.jp/blog/2012/10/04/6593027 に収納されている。講師はこの「やまぐちの里」の編集委員のひとりである。23話の内、13話が船坂を舞台としたもので圧倒的に多い。この点について、古来より船坂が大坂と有馬温泉を結ぶ有馬街道の主要な中継地であり、旅人の往来も多く話題性があったという背景があると説明された。興味深かったのは「名来の篭六と梶本家の表門」の話だった。幕末の頃に毘沙門のお告げで大金持ちになった篭六が、平尻道に代官所を設けて金力で代官になったという。今も残る平尻の石碑のひとつに刻まれた「芝金次良」とは篭六の別名であるとの民話だった。
飄々とした語り口で楽しく興味深い1時間半の講座だった。
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