高齢者訪問でのできごと2012年10月02日

 今年も民生委員の高齢者訪問を始めた。三日ばかりで約40軒のお宅を訪ねた。今年で4回目の訪問となる。多くの人と顔馴染みとなり気心も知れてくる。その結果、世間話や打ち明け話なども交わされるようになり、訪問時間は従来よりも長くなる。それはそれでありがたいことであり、民生委員としての務めが深化していると受けとめている。
 反面、65歳を迎えて、新たに訪問するお宅も増えている。誰しも自分が高齢者になったと自覚することは嫌なものである。ましてや他人から「65歳を迎えられたのでお訊ねすることになりました」などと言われると、心穏やかでない筈だ。そんな気分もあってか先日、こんなことがあった。
 今回初めてお訊ねしたお宅である。玄関口で見るからに若々しい65歳の男性に来意を告げた。趣旨を述べてもいかにもそっけない顔つきである。「ところでなぜお宅は私が65歳になったことを知っているのか?どこから情報を得たのか?個人情報保護違反ではないか!」とおっしゃる。1ヶ月ほど前に民生委員の研修で、個人情報保護の過剰反応の対応についての考え方を学んだばかりだ。ここは毅然とした回答する必要があると思った。「民生委員は守秘義務を負った特別職の公務員です。民生委員としての役割を果たす上での必要な個人情報は他の公務員同様に市から提供されています」。くだんの男性はからは反論はなかった。ただ、お尋ねした自宅電話の番号通知は拒否された。
 民生委員を引受けて5年目になる。活動に当たっての自分なりのスタンスが見えつつある。