地元小学校のイマドキの入学式2009年04月08日

 地元小学校の入学式に参列した。民生・児童委員宛の参列要請のハガキがきていたが、セレモニー出席が民生委員の名誉職的な匂いがあって乗り気でなかった。ところが昨晩の社協役員会で同僚の民生委員から「地域に顔と名前を知ってもらう上で貴重な機会」と教えられた。ナルホド、されば出席はやむを得まい、と思い直した次第。
 自宅から徒歩10分の小学校に9時半に着いた。校門前には大勢の新1年生とその両親たちが、校門を背景に記念写真に余念がない。殆んどが両親同伴の参列のようだ。家族にとって我が子の小学校入学は紛れもなく一大イベントに違いない。それにしても父親の姿のなんと多いことか。私の記憶の中に子供たちの入学式の風景は皆無である。時代の変化を想わずにはおれない。
 式場の体育館二階の控室に案内され、10時の開会を待った。二階から見下ろす体育館フロア上には、円形に置かれたプランターの花壇の周りを数百席ものパイプ椅子が、これも円形に配置されている。舞台に向って対面式の式場しか知らないオジサンには何とも不思議な式場と言う感は拭えない。
 20数名の来賓が校長先生に引率されて、父兄席の一角に設けられた来賓席に案内される。二階席にはカメラを構えた撮影班の父親たちが鈴成りだ。6年生が作るいくつもの花のゲートをくぐって、4クラス113名の新入生が入場する。
 校長先生が花壇の中心に置かれたマイクから新入生たちに語りかける。「初めてこんなに多くの人と生活をするみんなにとって最も大切なことを話します。『聞く』と言うことです。聞くことに集中して耳で聞いて下さい。相手の目を見て目で聞いてください。話しの内容を理解するよう心で聞いて下さい」。昨年校長になったばかりの50前後の女性である。しっかりした当を得たなかなかのスピーチだった。向きを変えて今度は保護者や来賓へのそつのない挨拶になる。
 続いて在校生代表で6年生女生徒が歓迎の言葉を述べる。驚いたのはその服装だった。Tシャツにジーパンと言う思い切りの普段着だった。式場レイアウトといい、このいでたちといい、セレモニー要素を可能な限り抑えた普段着式典がイマドキの入学式なのかと思い知らされた。
 来賓紹介になった。肩書と名前を呼ばれる。トップバッターは地元中学校の校長だった。お辞儀をするだけと思っていたら、「新入生の皆さん!ご入学おめでとうございます」と大声が発せられた。校長先生の挨拶の中での「おめでとう」の呼び掛けに、新入生たちは声を揃えて「ありがとうッ」と応じていた。案の定、中学の校長先生にも「ありがとう」が返される。こうなると二番手もお辞儀だけで済ますには余程の覚悟が必要だ。やっぱり「おめでとう」と呼び掛ける。これで決まりである。私も含めて来賓全員の「おめでとう」と、同じ数だけの「ありがとう」の応酬が続いた。
 この後、6年生の歓迎の歌、1年生の「1年生になったら」の返歌、教職員紹介、校歌斉唱と続き、無事入学式が終了した。 この間約45分だった。校長先生に連れられて二階控室に退場する。コーヒーとお煎餅の接待を受け、11時前には校門を後にした。50年ぶりに小学校のイマドキの入学式に遭遇した。

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