雨戸を開ける2009年04月03日

 朝6時頃起床する。2階の寝室から1階のリビングに降りる。大抵は私が雨戸を開けることになる。以前は煩わしさが先にたっていたこの作業が、最近はそんなに嫌ではない。むしろ一種のワクワク感がある。東向きの窓と南向きの二組のガラス戸に雨戸がある。雨戸を開けた時、その日初めての外界が目に飛び込む。
 今日も南面のガラス戸の雨戸を開ける。庭を隔てたお向いは、尚寝静まっているようだ。雨戸の開け閉めの音は典型的な庶民の生活のリズム音である。とは言え眠りを覚ます音でもある。ご近所への気遣いが、開ける手の動作に慎重さを命じる。夜の延長線上の室内の電灯の光の中に外界の夜明けの光が飛び込んでくる。東の空が明るくて鮮やかな黄色で染まっている。ここしばらく曇り空の夜明けだった。今日は昇ろうとする朝日の陽光がまぶしい。それだけでウキウキした気分に包まれる。
 追い立てられるような現役時代には味わうことのなかった穏やかでささやかな愉悦が、リタイヤ後のゆったりした生活リズムに訪れている。