地元にできた図書館2009年04月16日

 今月初めに地域の地区センターがオープンした。市役所支所、ホール、保健福祉センター、老人憩いの家、図書館分室、児童センター、公民館の七つの施設を備えた地域の核となる複合施設だ。四日前の日曜にはホールで開催されたこけら落としの「ゑびす寄席」で6人の噺家たちの話芸を楽しんだ。 
 その後慌ただしい毎日を過ごして、ようやく一息ついた今日、是非利用したと思っていた図書館分室を初めて訪れた。リタイヤ生活にとって図書館は貴重な施設である。たっぷりある時間を好きな読書で過ごす楽しさは、現役時代には叶わぬものである。かといって残された余生を考えれば購読して読み返すほどのこともない。読みたい本が気軽に借れる図書館ほどありがたい施設はない。
 問題はどの程度利用可能な蔵書が備わっているかである。センターの案内パンフによれば約160坪の面積に約4万冊が所蔵されているようだ。3階の真新しい図書館分室に入った。陽光と照明で明るい室内には木製書棚がゆったりとした配置で並んでいる。中央のスペースは一般向けの図書コーナーで、奥の三分の一ほどは児童用図書コーナーになっている。一般書の中心は著者別の小説がメインの構成である。市には4つの図書館と6つの分室がある。これまでの他の図書館での利用実績のデータを踏まえた品揃えなのだろう。
 20分ほどかけてじっくり書棚を見て回った。何しろこれから長いお付合いの施設である。さすがに文庫本はなかったが、自宅で読む分には単行本でも問題ない。特に小説に関しては十分な所蔵数と思われた。五木寛之の「仏教の旅(ブータン編)」を借りることにした。先日読んだ「資本主義はなぜ自壊したのか」で作者が激賞していた国ブータンを好きな作家である五木寛之がどのように描いているのか。目にした途端、借入れを決めた著作った。
 カウンターに行き、貸出図書と持参の貸出券を提示する。貸出券は現役当時に利用した最寄り駅前の図書館で作成済みだった。市の全図書館共通のバーコード付きカードである。1回にひとり15冊2週間借出可能である。ネットで所蔵図書検索、貸出状況参照、延長申込み、予約等もできる。便利になったものだ。リタイヤ直後にオープンしたありがたい施設にあらためて感謝した。