長浜黒壁スクエアと彦根城を訪ねた2012年05月04日

 昨日の一日、娘夫婦の住む滋賀県で過ごした。二日前に息子夫婦も含めて一緒に山口を旅したばかりである。「嫁いだ娘と一緒に過ごせるのはGWくらいしかない」という家内の言い分を受け入れた。
 朝8時半に娘夫婦の出迎える最寄り駅に着いた。住いに立ち寄って母親手作りの惣菜などを渡した後、婿殿の運転するマイカーで長浜観光に出発した。
 JR長浜駅前に駐車し、すぐ近くのお目当ての「黒壁スクエア」散策に出かけた。北国街道の案内板のある旧街道がスタートとなる。仏閣やお土産店の並ぶ風情のある街道筋を北に向った。黒壁ガラス館前を右に折れ大手門通りに入る。すぐ右手の分福茶屋の店頭で美味しそうな丸い餅を焼いていた。娘のお勧めの「つぶら餅(2個120円)」を早速購入し店内でそのもちもちした食感を味わった。商店街を東にしばらくいくと「かどや」という店先で「天下いも(525円)」という大ぶりのスイーツを売っていた。これまた娘のお勧めで家内はご近所のお土産用に3本購入していた。
 そのすぐ先の長浜曳山博物館(600円)に入館した。長浜曳山のことは多少知ってはいたが、これほどのものとは思わなかった。祇園の山鉾を思わせる展示された2台の曳山の巨大さに圧倒された。映像シアターで「長浜曳山まつり」のDVDを観た。祭礼や子ども歌舞伎を中心に約10分の映像がまつりの全体像がコンパクトに解説する。役者の子どもたち、運営する若衆、仕切り役の中老など多様な世代が順繰りにまつりを支えていく。その仕組みこそが「長浜独自のまちづくりのかたち」だという。京都の祇園祭、高山市の高山祭と並んで日本三大山車祭の一つに数えられる長浜曳山まつりである。その伝統行事が継承されていく説得力のある背景を教えられた。
 スクエアの北東の角に真宗大谷派長浜別院大通寺(長浜御坊)があった。折しも花まつりの日だった。山門に向かう参道には近隣の多くの真宗末寺の子供会のグループが白像のハリボテを中心に列をなしていた。大通寺の巨大な山門をくぐって広大な境内に入り本堂前で参拝した。
 スタート地点近くの「翼果楼(よかろう)」という郷土料理店で昼食をとったのは12時前だった。古い町家をそのまま利用した郷愁を誘う店だった。この店の売りは何といっても長浜名物の焼鯖そうめん(840円)である。濃い味のそうめんにだし汁で煮込んだ焼鯖がのせられている。柔らかすぎるそうめんは好みでなかったが、焼鯖は柔らかくいい味だった。八つ切りの焼鯖寿し1本(1260円)も注文し4人で分け合って味わった。
 長浜を後にして彦根城に向かった。GWの渋滞を懸念したが12時半には城門前の駐車場に駐車できた。とはいえ姫路城、松本城、犬山城と並ぶ国宝四城のひとつである。さすがに大勢の観光客がつめかけている。入場待ち30分の行列をみて天守閣登城は断念した。本丸広場から見上げる三層の天守閣のどっしりした優美な姿をカメラに収めた。三重櫓の西の丸に登り琵琶湖を望む眺望を愉しんだ。黒門参道を下ってお濠を超え、玄宮園と名付けられた大名庭園を散策した。広い池を中心に近江八景を模して造営されたという庭園は、天守閣全貌を望める見事な光景をつくりだしていた。庭園を出てしばらく行った先に井伊直弼大老像が建っていた。彦根藩からこの人物が出なかったら彦根城はこれほど有名にはならなかったのではないかとふと思った。その先の馬屋は近世城郭に残る唯一のもので重要文化財に指定されている。
 彦根を後にして母娘の待望の竜王アウトレットモールに向かった。娘夫婦の母の日プレゼントのお買い物が目的である。ブランドのウォーキングシューズを手に入れてご機嫌の家内を尻目に父の日を想った。娘夫婦に送られて最寄りのJR駅から新快速に乗車した。19時頃には帰宅し、13時間に及ぶ日帰りの旅を終えた。