一庫(ひとくら)ダムを学んだ2012年11月17日

 昨日、恒例の社協の研修バスツアーがあった。朝8時過ぎに住宅街のコミュニティーセンターを27名の参加者を乗せたバスが出発した。霧は残るものの秋晴れの好天に恵まれたバスツアーだった。今回のメインの訪問先である川西市の一庫ダムには9時半に到着した。
 管理棟2階会議室で15分ほど一庫ダム全般についてのプロジェクターによるプレゼンを受けた。初めて訪ねたダム施設だった。ダムといえば黒部ダムの印象が余りにも強く、水力発電ダムをイメージしがちだったが、あらためてダムの多様な機能を学んだ。
 一庫ダムは、独立行政法人・水資源機構が事業主体の「治水」「飲料水供給」「潅漑」「発電」等を目的とした多目的ダムである。1986年に一庫大路次川(ひとくらおおろじがわ)と田尻川の合流地点を堰止めて造られた。高さ75m、最長幅285m、総貯水量3,300万㎥で下流の8市町60万人に水道水を供給している。大阪、神戸、京都から1時間足らずの距離にあり、周辺は宅地開発が進む典型的な都市型ダムである。
 プレゼンの後、7名ごとのグループに分かれてダム施設を見学した。若い女性職員の案内で階段を降り、ダムを横断するトンネル通路を渡る。通路壁面には建設時の写真や建物構造の図面や写真が掲示されている。水没した古民家の写真が印象的だった。ダム建設を巡る数々のドラマを想像した。ダムの最深部を抜けて対岸に出た。見上げると巨大なダムの壁面が迫ってくる。ダム最上部は一般道を兼ねており車両が行きかっている。見降ろすと放流された水を一旦プールする貯水池がある。左右対称のダム壁面の両側にグリーンの巨大なゲートがひと際目についた。見学後、会議室に戻り飲料水のボトルを頂き見学を終了した。
 一庫ダムを後にしたバスは、1時間ほどで昼食会場の篠山市今田町の「ぬくもりの郷」に到着した。レストラン「旬菜千味 さぎ草」で和風の懐石弁当を戴いた後、各自売店でお土産を調達した。続いてすぐ近くの「陶の郷」に立ち寄った。この辺りは立杭焼(丹波焼)の本場である。入館した「窯元横町」には57軒の窯元のブースが軒を並べている。各ブースにはそれぞれの自信作が陳列してある。横町を巧みに演出した風情のある展示販売館だった。
 続いて、兵庫陶芸美術館を訪れた。篠山市の山あいの陶芸の地に立地するこの美術館は7年前に開館され、想像以上に大きくて立派な施設だった。おりしも中国陶磁名品展が開催され、漢から清に至る中国の陶磁器の名品の数々を四つの会場に系統だって陳列展示したものだ。陶磁器に造詣のない素人目にも貴重な展示会だと思われた。
 1時間ほどの美術品鑑賞を最後に全訪問を終えた。美術館を後に出発したバスは16時半に出発地に到着した。秋晴れの中を見学とグルメと芸術にふれたすがすがしい一日だった。