在宅介護時代に地域は何を支援できるか2016年03月10日

 早朝散策の途中で同じ散歩中の方から声をかけられた。介護者の会で懇意になった方で実母介護を永年されている女性だった。お母さんの介護を同居の妹さんに任せて丸山に登ることがひと時の寛ぎになっているようだ。並んでウォーキングをしながら雑談をするうちに話が弾んだ。急遽、コース変更してもらい私の立ち寄りスポットのマクドナルドに付き合ってもらった。
 目下の問題意識のひとつに「在宅介護時代の地域支援の在り方」というテーマがある。福祉ネット立上げの際の目的は「高齢者等の見守りと困り事支援」だった。設立後1年を経て超高齢社会の現実と地域での対応の加速化の必要を認識させられた。「見守り・困り事」だけでは済まされない「在宅ケア支援」の対応が迫られている。テーブル向いの介護経験豊富な知人にその問題意識をぶつけた。
 地域ができる二つの対応が指摘された。ひとつは認知症発症者のご近所さんの見守りである。夜間の徘徊には理由がある。昼間の眠りの長さの反動で夜出かけたいという思いに駆られる。介護者はどうしても目が行き届かない。ご近所さんで意識的に見守りを気にしておればカバーできる。そのためにも認知症発症を家族がオープンにしておくことも必要になる。
 今ひとつは介護経験の知識や情報の地域での共有である。誰でも初めての介護には知らないことばかりで戸惑いや苦労が多い。介護経験者はそれらをひとつひとつクリアしていってようやく自分なりの介護スタイルを身に着けることになる。そうした介護経験者の知識や情報を地域で共有できるような環境があればと思う。認知症カフェがあちこちでできるのもそうした背景があるともう。
 いいヒントが得られた。福祉ネットの2年目に向けて「在宅ケア支援」という新たな課題に着手したい。