リタイヤオヤジたちの老後の生活設計は?2017年06月26日

 27回目のちょい呑みオヤジ会があった。ボランティアグループの10回目である。参加者11名とほどよい人数の円滑な運営だった。
 事務局報告という形で私から「老後の生活設計試算」のシュミレーションを提案した。自身の高齢化の進展や介護者の会での情報から長期の入院や介護という事態の費用負担が心配になってきた。それなりの老後の生活設計はしているつもりだったが、そうした事態までは折り込んでいなかった。そんな背景もあって「余計なお世話」の懸念もあったがオヤジ会で提案した。
 夫の年齢70歳を起点に平均寿命である夫81歳、妻87歳までの生存を想定した必要資金と調達資金の試算表である。必要生計費は妻の死亡時までの19年間を夫婦とも健康、夫の在宅介護、夫の施設入所、単身後の妻の在宅介護、妻の施設入所の5段階に分けてそれぞれ試算した。夫婦とも健康な期間は月額標準生計費25万円を想定し、在宅介護期間はデイサービス、ショートステイ、訪問看護、訪問介護の個人負担分を月額8万円とし、施設入所は特養、老健等を想定し月額15万円と設定した。必要生計費以外にも旅行、住宅リフォーム、車買い替え、車検、任意保険、子ども援助、病気介護の予備費等の特別支出も折り込んだ。その結果、生計費6千万円、特別支出千7百万円の計7千8百万円が必要資金と算定された。
 これに対し調達資金の中心となる公的年金は夫婦二人の11年間の標準月額22万円、妻単身期間8年間の13万円(夫婦標準の6割と試算)の総額が約4千2百万円である。その結果不足額の3千6百万円ほどを自己資金で賄わなければならない。各家庭での預貯金・株式、保険・共済の返戻金、個人年金等の自己資金の正確な点検と把握が必要だ。ここは一番オヤジの出番である。妻任せだった家計をオヤジ目線で点検し全体像の把握と今後の対策が欠かせない。自己資金でも補えない不足分についてのリバースモーゲージという選択肢も提案した。持家を担保に住み続けながら金融機関や自治体から融資を受ける手法である。夫婦死亡後は持家を売却して代金を融資の一括返済に充てる。
 少し時間をかけて説明した。参加者の多くは今まで先送りしてきた厄介なテーマにあらためて向き合わされたという印象だった。それだけに「余計なお世話」という雰囲気はなく、貴重な情報が得られたと好感されたように思えた。