朝露に縁どられた風景2011年09月20日

 台風一過の先日の快晴の早朝だった。散歩道で心洗われる風景を目にした。朝露が自然のキャンパスに美しい縁どりを加えていた。
 有馬川の土手道の竹藪の間から稲田に抜けるところにやってきた。お気に入りスポットのひとつである。昇ったばかり朝日の突き刺すような陽光が目に飛び込んだ。竹藪の枠組みが形作る空間の真ん中に白い半円がぽっかり浮かんでいた。網の目に朝露を宿した蜘蛛の巣が陽光に照らされて不思議な造形を描いていた。竹の葉先にも朝露の水滴がキラキラ輝いている。
 稲田を分ける畔道に踏み入れた。緑の葉っぱの狭間から実りをつけた稲穂が群れをなして垂れている。稲穂の先にも水滴が光っている。垂れさがる稲穂の行列の前で一輪の真っ赤な彼岸花が鮮やかな彩りをつけていた。開いたばかりの細長い花弁の縁にも朝露がまとわりついていた。
 朝露の織りなす風景の瑞々しさからしばらく目を離せなかった。