公民館講座「平尻巡礼街道・屋外散策」2011年11月17日

 今日、地元山口で昨年から開講している公民館講座「山口風土記探訪講座」の第6回講座を開講した。今回の講座のキャッチコピーは「昔のままの面影を残す山中の旧街道」である。平地や市街地の旧街道の多くは、一般に開発が進み昔の面影はほとんど残されていない。今回散策する平尻街道は、幸いにもそのほとんどが未開発の丘陵地の中にあり江戸期の面影を色濃く残している。
 集合時間の1時半には、有馬川にかかる天上橋の東詰に27名の受講者に集合して頂いた。公民館活動推進員4名と講師の私を加えて総勢32名で出発した。心配した天候も晴れ間の穏やかな小春日和だった。
 第1ガイドポイントの平尻茶店跡に着いた。丹波街道と山口在所道を結ぶ三叉路の地点である。かっての茶店跡の倉庫前でハンドマイク片手にガイドする。今も残る江戸時代後期の三基の石碑が往時の名残りを残している。今は畦道となった旧街道を西に進み突き当たりの山裾から山中の旧街道に入る。枯れ葉の積もる山道を森林浴さながらの快適なコースを進んだ。
 第2ポイントは山中の中心部にあたる地蔵型道標前である。名来神社北側のアクセス道が合流する三叉路である。道標に刻まれた「右は清水道 左は在所道」の文字が受講者の関心を呼んでいる。すぐ北側の竹藪に第3ポイントの鍛冶屋跡がある。井戸跡らしき石組や手水鉢などの遺構が残されている。
 第3ポイントは山中の街道を抜け道場平田宿が見晴らせる地点だ。屋根だけが見通せる平田薬師堂などをガイドしながら昔の旅人たちの山中を抜けてホッとした気分を味わってもらった。すぐ西の有馬川袂でも目前の木製の名来橋や有馬川に飛来する野鳥、水鳥を紹介した。
 有馬川沿いの土手道を南に進むと、愛宕橋とその袂の銘木タモの樹が見える。今年の山口フォトコンテストのポスター背景写真に選ばれた銘木である。名来神社で参拝した後、神社の由緒等をガイドして今回の講座を終了した。道すがら受講者から「一人では到底来れなかった貴重な街道巡りを体験できた」などの感想を頂いた。気持のよい手応えのある屋外散策講座だった。
 帰り道、私の講座を担当頂いた公民館活動推進員の方やご近所の受講者の主婦三名と合流した。すると思いがけなく一人の主婦から「一緒に自宅でお茶しませんか」とお誘いがあった。なんとなく名残り惜しさもあったのだろう。総勢5名で珈琲にケーキを味わいながらよもやま話に花を咲かせた。思わぬご近所の輪が広がったオマケ付きの屋外講座だった。

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