社会福祉法人の人不足の深刻化2019年06月21日

 昨日、二つの社会福祉法人の評議員会に出席した。午前中は市社協の、午後は一羊会の評議員会だった。双方の評議員会で気になった共通点がある。深刻な人不足が事業の在り方にも影響を及ぼしかねない状況である点だ。
 市社協では、事業の大きな柱でもある育成センター事業が指導員の確保が難しく市への受託申請を絞りこまざるを得なくなっている。民営化が進むこの事業での市社協による受託はぜひ進めてほしいが人不足でそれが叶わない状況は残念というほかない。
 一羊会では北部地区でのグループホーム建設が人材確保の見通しが立たないことから延期せざるを得なくなっている。こちらも「親亡き後の問題」を抱えた障がい者家族にとってはぜひとも早期建設が望まれる事業である。
 いずれも各法人にとっての中軸の事業でありそれらが先細りしたり計画断念に追い込まれる事態はただ事ではない。他方で幼保無償化といった保育士不足に拍車をかける目先の人気取りとも見えるイージーな施策がまかり通っている。社会福祉に関わる人材の処遇改善が急務だ。その上で、法人自体も人材確保に向けて従来型の固定的な思考でなく柔軟で弾力的な人事処遇制度を用意し多様な人材層の発掘が必要ではあるまいか。