トルコツアー五日目「カッパドギアの奇岩と寝台列車」2009年03月17日

 4時半起床。昨晩の早寝が早朝の目覚めをもたらした。テレビでニュース番組を見た。イスタンブールで開催中の世界水フォーラムの様子が映された。判読不能のアラビア語でないローマ字テロップがかすかに内容を教えてくれる。ローマ字導入のアタチュルクさんに感謝。出席の各国首脳に交じって日本の皇太子の顔が見える。ビュッフェスタイルの食べ過ぎる朝食を済ませ、7時半にホテル出発。
 コンヤを抜けると荒涼たる大地の中を一本の舗装路が続く。そこはもうかってのシルクロードだ。1時間余りの地点にあるキャラバンサライ(隊商宿)に立寄った。13世紀にスルタンが建造した宿でよく保存された建物だ。そこから更に45分ほど東に向かっているとにわかに雪景色に包まれた。砂漠の大地の季候の厳しさを知らされた。
 10時30分頃カッパドギア地方の中心地・ネヴシェヒルにつき、絨毯工房を見学。絨毯製造工程を見学した後、商品即売会が開催される。この間、ワイン、トルココーヒー、チャイ等の飲み物が振る舞われ、いやがうえにも購買意欲を促される。大勢の店側スタッフが登場し商談が始まる。最高級シルク絨毯は絵画のような美しさだ。30cm四方でなんと56万円。商談成立の拍手が起こる。催眠商法にも似た心憎いばかりの演出である。
 絨毯工房を出るとすぐに奇岩鑑賞となる。最初は三美女の岩。続いてユルギュップの街からゼルベで降りて赤い谷を見る。発車直後の車窓からはテーブルマウンティンが見える。バザールが並ぶ観光スポット・パシャバーで下車し、高台のビューポイントから展望。
 1時45分、アヴァノスの洞窟レストランで遅い昼食にようやくありつく。洞窟トンネルを抜けて野趣満点の客席に入る。焼き鱒とインゲン豆の煮込み料理がメインのランチだった。2時45分に出発し、すぐそばのギョレメの谷に着いた。ここでは名物トルコアイスを味わった。伸びるアイスの別名の固めの甘さ控え目アイスだった。ウチヒサルの巨大一枚岩の城塞を見る。観光用駱駝がいて2ドルで乗せてくれる。最後は鳩の谷だった。展望台付近に地中海クラブのカヤ・ホテルが世界遺産の中の絶好のロケーションに建っている。
 4時前にカッパドギアの全観光を終えて一路アンカラを目指す。アンカラ近くでは広大なソルトレイク(塩の湖)を真横に見ながら走る。6時30分、高速道路のクルクカレSAで夕食となる。ムサカ(肉入りナスビの煮込み)メインの料理だった。1時間後、アンカラに向けSAを出発した。バス車中でテオさんに明日の自由行動でのトラム(路面電車)の乗り方、ボスポラス海峡連絡船お勧めコース等のガイダンスを聞いた。
 9時に国鉄アンカラ駅に到着。首都アンカラの玄関口にしては迫力に乏しい。バスのネットワークが完備したトルコでは、どの街でもバスターミナルの充実ぶりに比べ鉄道駅が見劣りしているとのこと。22時30分アンカラ発、翌日8時イスタンブールのハイダルパシャ駅(アジア側終着駅)着のアンカラエキスプレス一等寝台に乗車した。10両編成の列車の100人以上が日本人観光客とのこと。6号車5、6番が指定席だった。個室には2段ベッド、洗面台、冷蔵庫、コンセントが付いている。早速デジカメの充電をセットする。誰もが珍しい寝台列車の旅にはしゃぎながら写真撮影に余念がない。発車まもなく車掌さんがベッドメイキングに現れる。事前ガイダンスに従いチップを渡すがなぜか返される。落ち着いたところで隣りの友人ご夫婦の個室でご主人とビールの酒盛りという至福の時を迎える。駅のキオスクで調達した日本円で160円の超お買得のロング缶である。11時半、眠れそうもない2段ベッドの上段に身を横たえた。万歩計カウント14475歩だった。