我が家に訪れた本物の静寂。その後・・・2012年05月06日

 昨日の昼前に家内が友人宅に出かけて、我が家に本物の静寂が訪れた。静寂を破ったのはヤッパリ連れ合いだった。三時過ぎに私の携帯が鳴った。「お布団入れといてくれた~ッ」。当てにならない亭主の尻を叩く嫁のチェックコールだった。「ハイハイ」。二階のベランダに行って息子夫婦が使った布団を部屋の中に放り込んだ。
 夕方五時過ぎに放し飼いの家内がようやく帰還した。夕食の準備もなさそうだ。「晩ご飯は?」。亭主の不安にこともなげに嫁が答えた。「おしんこ巻き」。そりゃないやろ。子どもたちが帰省していた昨日までの豪華な夕餉との落差は余りにも大きい。せめておしんこだけでなく何か一緒に巻いてくれ。勝手に冷蔵庫を漁った。冷凍されていた二匹の焼穴子を発見した。辛うじておしんこに穴子が追加された。
 穴子入りおしんこ巻きを前に二人だけの食卓を囲んだ。「また静かになるなぁ~」としみじみ家内が呟いた。「お前がおるからそれほどでもない。本物の静寂がほしい」とつい軽口で返してしまった。「何言うてんの。よくしゃべってくれる奥さんやから寂しないんやないの」と直球で返された。自覚はあるんや・・・と思いながら二の矢は控えて口をつぐんだ。
 こんな掛け合いで繰り広げられる夫婦二人の余生も捨てたもんではない。

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