3.5人家族の風景2015年10月28日

 娘が里帰り出産で帰省して2週間が経過した。37週目に入りいつ出産しても問題はないという時期を迎えた。分娩予定の病院にも何度か通いエコー等の画像で順調な経過を確認しているようだ。母娘は毎日のように通院やお買い物に出かけている。できるだけ歩いて運動することが大事だという担当医のお墨付きが絶好の口実となっている。
 夫婦二人の生活が定着していた我が家に再び娘との三人家族の日常が舞い戻った。相撲取りも尻尾を巻くような大きなおなかを抱えて我が家を席巻する娘の姿にも馴染んできた。夕食時に母娘がキッチンに並んで立って調理する後ろ姿が楽しげだ。図書館で借りた絵本をお腹の赤ちゃんにせっせと読み聞かせる娘の姿が微笑ましい。風呂上がりの娘が「赤ちゃんが一番よく動く時やな~」と呟いた。お湯につかって温たまり気持ちよくなって手足を動かしているようだ。おっかなびっくりお腹に手を当てて孫の息吹を確かめた。なるほど。足を突っ張っている感じが手のひらに伝わってくる。
 自分の子どもたちの出産時には仕事にかまけて気にもしなかった風景を、孫の出産時にはこれほど身近に味わうものか。ほとんどかまってやれなかった後ろめたさを噛み締めながら、あらためて家内の出産子育ての気持ちを斟酌した。
 来月中旬までの束の間の3.5人家族の風景が過ぎていく。