住宅街の盆踊り・・・31回目の異変2016年08月21日

 昨晩、住宅街の31回目の盆踊り大会があった。2千世帯を有する住宅街の自治会の年間を通じて最大のイベントである。この盆踊りに31回目にして異変が生じた。会場でのビール販売ができなくなったのだ。
 会場は住宅街の中の小学校の校庭である。校長からの「小学校の校庭での飲酒は教育上好ましくない」という趣旨の申入れを主催者の自治会が受け入れたという事情のようだ。盆踊り大会という名称ながら実質は地域の夏祭りである。お祭りにつきものである「ちょい呑み」ができないことの違和感もさることながら、この問題はより本質的な問題を含んでいる。
 永年この校庭を会場として開催されてきた盆踊りである。飲酒によるトラブルは一度も発生していない。申入れの趣旨は理解できるものの、なぜ今になってという感は拭えない。何よりも住宅街のど真ん中に位置する小学校である。地域に密着し、地域に開かれた学校経営という観点での突っ込んだ議論が必要ではなかったか。
 分譲開始後30数年を経た新興住宅地である。高齢化の進展は著しい。それだけに寄合い世帯の人工の街のコミュニティ機能の強化が求められている。盆踊りが自治会の最大イベントであるゆえんは、それがこの町のコミュニティ機能にとってかけがえのないものであることの裏返しである。日頃の付き合いの少ない隣人たちがビール片手に忌憚なく雑談できることの意味ははかりしれない。会場でのちょい呑みはまさしくコミュニティ機能の潤滑油にほかならない。事実、今年の盆踊り参加者は例年になく少なかったように思えた。社協の運営する敬老席でも「なぜビールが飲めなくなったのか」「毎年楽しみにしていた会場でのビールが呑めないなら参加しないという知人もいた」といった声を聞いた。地域のしっかりしたコミュニティ機能あっての児童の見守りや育成活動である。教育的配慮という点だけからの判断は一面的過ぎはしないか。

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