クローズアップ現代+「広がる在宅医療の陰で」2017年02月17日

 新聞のテレビ番組表で「家で最期を迎えたい・広がる在宅医療の陰で」という文字が飛び込んだ。気になっていたテーマである。昨晩その番組を観た。
 冒頭、在宅医療で療養中だった大橋巨泉氏の在宅医のコミュニケーションの拙さがもたらした衝撃の大きさについての妻の証言が紹介される。ハッピーな在宅医療を信じて病院から自宅に戻った巨泉氏に在宅医は「どこで死にたいですか」という不用意な問いかけをしたという。
 番組は、「病院から在宅へ」の大号令のもと、国が推進している在宅医療の問題点を指摘する。要約すれば「在宅医の本人・家族とのコミュニケーションの不十分さ」と「在宅医療を支える医師、看護師、介護士等の絶対数と経験の不足」である。問題点の指摘だけでなく「在宅を支える地域の開業医を支援する在宅特化型診療所を設置する四日市」の事例や「東京都港区の専門分野の異なる在宅医たちが知識や情報を共有しあう症例検討会」の事例などである。
 とりたてて目新しい内容ではなかったが、地域での在宅医療の環境整備が今後の主要な課題となりつつある福祉ネットの立場から課題整理にむけた良い情報だったと言える。在宅医、訪問看護士、ケアマネジャー、ヘルパー等の地域の在宅医療専門職の皆さんとの突っ込んだ懇談の必要性を痛感した。