年頭所感2017年02月28日

 2月中旬に社協分区の広報紙を発行した。新年号を兼ねているということで以下のような分区長の年頭所感を寄稿した。
-----------------------------------------------------------
■世界の不安な潮流
 昨年は、国際的な大きな二つの出来事があリました。イギリスのEU離脱とアメリカのトランプ大統領当選です。二つの出来事は「自国主義」と「二者択一の選択」という点で共通しています。自国主義は難民や移民の排除を招き、二者択一は他方の否定という「分断」を生みだしかねません。その意味でこの二点には深刻な懸念があります。この問題を地区コミュニティの今後の在り方に置き換えて考えてみました。  
■コミュニティの弱体化
 超高齢社会を迎えて住民どうしが支え合いながら暮らす上で地区コミュニティの役割は重要です。とりわけ団塊世代のウェイトが高い我が町では2025年問題等の高齢化対応は深刻で重大なテーマです。コミュニティの一層の強化が求められています。
 ところが現実にはコミュニティ機能が弱体化する傾向が見受けられます。地区を支える自治会や社協、青愛協、老人会、子ども会などの組織で会員の退会や役員の欠員等の問題が深刻化しつつあります。その背景には「会費や役割分担をしたくない」「会員のメリットがない」等の個人的な理由が大きいようです。それは「役員を受けるか会員を辞めるか」といった「二者択一」の選択となり、一気に退会ということにつながります。その結果、退会者や非会員に対し行事参加やサービス提供を拒む傾向につながり、地域での排他的な風潮を生みだしかねません。
 地域の全住民の福祉支援を目的とした社協は、しっかりしたコミュニティが活動の基盤です。多様な考え方を受入れながら共存していける風土が欠かせません。そのためにも「排除」でなく「包み込み」が大切です。
■〇に近い△の選択
 重要な決定に当たっても可能な限り二者択一でない選択肢の提案が必要です。〇か×でなく、幾つもの〇に近い△があるが筈です。例えば「役員を受けなくても会員を続けられる条件を考えること」で〇に近い△という選択肢が可能です。
 「多様性を認め合うこと」「意見の違いを包み込むこと」「多様な選択肢を提案できること」。これを年頭の所感として肝に銘じたいと思います。