環境変化と自治会行事の在り方を巡る議論2019年12月11日

 自治会主催の関係団体連絡会が開催された。老人会、婦人部、SC21、地区社協、青愛協等の7関係団体の代表と自治会三役6名が出席した。
 自治会所有の会館の清掃、鍵の管理、コピー機の使用等の事務的な報告が坦々と確認された後、文化祭報告を巡って活発な議論が交わされた。先月開催の文化祭の期間について自治会三役と関係団体の間で認識のズレが表面化した。自治会の4日から3日への短縮提案にカラオケ大会が縮小される老人会から異議が出た。最終的にカラオケ大会を4日目に移して老人会が全面的に運営することで4日間の枠組みは維持された。こうした経緯を念頭に来年以降の文化祭の在り方が議論になった。
 この問題は単に文化祭だけにとどまらず、盆踊り、バスツアー等の自治会イベントの在り方を巡る認識のズレが背景にある。かつてのファミリー中心の人口増の街では住民の交流、懇親のためのそれらのイベントはニーズもあり自治会中心に推進し、関係団体も積極的に協力してきた。ところが今や超高齢社会の人口減少の街になり、自治会員の減少による財政と人材面からイベント開催が過重になってきた。 
 毎年一斉に入れ替わる自治会役員には過去の経緯は無縁である。それだけに関係団体の展示・発表会の性格の強い文化祭の自治会による運営負担が重荷になってくる。これに対し、関係団体側は元来自治会が主催してきた文化祭に協力してきたという想いが強い。この認識のズレは大きい。イベントの縮小廃止の流れに老人会等は何のための自治会かという反発がある。このズレの多くは、自治会側のイベント開催の経過についての理解不足と、関係団体側の環境変化の認識不足に起因していると思える。相互に丁寧な説明と誠実な理解が必要だ。
 他方で、自治会の役割の変化についても共通認識が必要だ。自治会の役割はもとよりイベントだけではない。むしろ地域コミュニティというインフラの維持こそが欠かせない。防犯・防災、環境・衛生、広報・情報共有、親睦・交流、慶弔等の基礎的住民サービスである。併せて市の委託事項や協力活動の受皿機能もある。共働き世帯の増加や高齢化の進行がそうしたインフラ維持を困難にしている。自治会の役割の再確認と環境変化の下での見直しは避けがたいテーマでもある。