お年寄りと「昔のふるさと話し」 ― 2009年06月04日
山口町の北部を平尻街道と呼ばれた旧街道が横断していた。西国三十三所巡礼街道の一部でもあった。山口町名来の山中を通り、隣町の道場町平田宿が平尻街道の終点である。今朝の散策のテーマは、昔の旅人の気分を味わいながら名来山中を抜けた地点から平田宿までを歩くことだった。
山中を抜けて旅人たちは心和む思いで平田ののどかな田園風景を眺めたはずだ。道なりに有馬川の土手道をしばらく歩むと土手を下りて平田宿の中心を走る旧街道に入る。左には古い薬師堂が見える。旧街道沿いに昔の宿屋の様式をとどめた民家や茅葺屋根の古民家が今も残されている。
古民家の前でデジカメを構えていると、家からゴミ出しに出てきた70歳前後のオジイサンから不審者を見るような目つきで見つめられた。思わず「この道沿いに昔は宿場があったんですね」と声を掛けた。意表をつかれた質問に怪訝な顔つきが緩んだ。「向こうの古いお堂はいつ頃建てられたものですか」「お堂の中へは入れないんですか」と矢継ぎ早の質問にオジイサンの舌が滑らかになっていく。「子供の頃は有馬や三田に行くのはこの道しかなかった」「あのお堂は専門家の話では相当古いようだ」「毎月8日にお堂の中で村の人がお参りする」などの話しが次々出てくる。
現役引退後の長い人生が徐々に出番をなくさせていく。お年寄りにとって昔のふるさと話しは自分の世界に戻れる格好のテーマに違いない。そのふるさとは開発や近代化の波に呑まれて、風景だけでなくカルチャーまでもがどんどん変質してしまいつつある。ふるさとの風景や伝統や文化を守ることはお年寄たちの出番を促すことでもある。
山中を抜けて旅人たちは心和む思いで平田ののどかな田園風景を眺めたはずだ。道なりに有馬川の土手道をしばらく歩むと土手を下りて平田宿の中心を走る旧街道に入る。左には古い薬師堂が見える。旧街道沿いに昔の宿屋の様式をとどめた民家や茅葺屋根の古民家が今も残されている。
古民家の前でデジカメを構えていると、家からゴミ出しに出てきた70歳前後のオジイサンから不審者を見るような目つきで見つめられた。思わず「この道沿いに昔は宿場があったんですね」と声を掛けた。意表をつかれた質問に怪訝な顔つきが緩んだ。「向こうの古いお堂はいつ頃建てられたものですか」「お堂の中へは入れないんですか」と矢継ぎ早の質問にオジイサンの舌が滑らかになっていく。「子供の頃は有馬や三田に行くのはこの道しかなかった」「あのお堂は専門家の話では相当古いようだ」「毎月8日にお堂の中で村の人がお参りする」などの話しが次々出てくる。
現役引退後の長い人生が徐々に出番をなくさせていく。お年寄りにとって昔のふるさと話しは自分の世界に戻れる格好のテーマに違いない。そのふるさとは開発や近代化の波に呑まれて、風景だけでなくカルチャーまでもがどんどん変質してしまいつつある。ふるさとの風景や伝統や文化を守ることはお年寄たちの出番を促すことでもある。

最近のコメント