子供たちの福祉体験学習2009年06月30日

 地区の社会福祉協議会のボランティア活動に参加した。地元小学校で行なわれた福祉学習のお手伝いだった。4年生4クラスの生徒たちがアイ・マスクを着けて目の不自由な人たちの障害を身をもって学ぶという学習である。
 9時からの福祉学習が市の社会福祉協議会の専門講師の指導で始まった。アイ・マスクを着けた生徒とそれを介助する生徒のペアで2階の教室から階段を降り1階の靴箱前まで往復するという体験である。介助役がいかに上手に声を掛け、誘導しながら介助できるかを学ぶものだ。私たち10名ほどのボランティアは、コースのポイント毎に立って、危険がないように見守りながら必要に応じて子供たちに声を掛ける。一巡した後、今度は介助役と被介助役が入替わって往復する。当然ながら後半の方がはるかに上手に介助している。自分自身が目が不自由な状態で階段を上り下りした怖さを身をもって学んでいるからだ。あの時パートナーがこんな声を掛けてくれていたらという想いが介助する立場になった時に活かされる。
 学習を終えて子供たち、教員、ボランティアの参加者全員の反省会となる。子どもたちの素朴で素直な感想が次々に発表される。今後街で目の不自由な人を見かけた時の子どもたちの見方が変るに違いない。私たちの子どもの頃には経験しなかった学習である。成熟社会を迎えて福祉活動がますます重要になってきた。福祉行政のお寒い現状はあるものの、他方でボランティアたちの取組みの輪も広がっている。子どもたちのこうした学習を目の当たりにして「福祉」を支える裾野が着実に広がっていることを知った。