父の33回忌法要2009年06月21日

 父の33回忌法要の日だった。得度して僧侶の資格を持つ弟が法要を執り行なった。弟宅でごく身内だけで営まれた。
 三部構成の読経の合間に弟が法話を語る。あちこちの法要で自分自身の言葉で語っているという。その蓄積と体験が身内への法話でも衒い(てらい)を感じさせない。五木寛之の著作を通して私自身も仏教への傾斜を深めつつある。今も彼の著作「蓮如」の文庫本の真中辺りにシオリが挟まれている。それだけに弟の口から伝わる経文の意味合いが身近に聞こえてくる。33年前に亡くなった父がこの縁を運んでくれている。
 法要後の会食では、共通の昔し話や同級生たちの消息が話題になる。現在を語れば互いの老いや病いが口をつく。語り合うべき未来の話題があるわけではない。互いに現役を退き、共通の過去を通しての絆が意味を持つ年齢になったことに気づかされる。